Blog

ブログ 

乳腺炎の対処法と予防



寒い冬が到来し、乳腺炎の相談が増えてきました。
おっぱいが硬く痛みを持った時、あるいは突然発熱した時、不安を抱えている方は多いでしょう。
そこで、乳腺炎の症状と対処法、そして予防法についてお話をしていきます。

1.乳腺炎の症状
乳腺炎は、乳腺に起こった炎症で、圧痛(触ると痛い)・熱感(痛みにある部分に熱を感じる)・腫脹(乳房の一部が赤く腫れている)、発熱・インフルエンザ様症状(悪寒・頭痛・関節痛・嘔気などの全身症状)などの症状が現れます。

2.乳腺炎の種類
乳腺炎には、≪細菌感染がない≫うっ滞性乳腺炎と、≪細菌感染がある≫感染性乳腺炎があります。

◆うっ滞性乳腺炎
授乳間隔が長くなり母乳が溜まってしまった時や、赤ちゃんが上手く飲みとっていない時などに、乳腺組織の内圧が持続的に高まり、炎症反応が起こります。

◎よくあるきっかけ ⇒ 外出先で授乳ができなかった、赤ちゃんが夜間長く寝てしまい夜間授乳がなかった、など。

◆感染性乳腺炎
乳腺内で細菌感染が起こり、高熱(38.5度以上)、強い痛み、インフルエンザ様症状などの強い炎症症状が出ます。

◎よくあるきっかけ ⇒ 乳頭に傷があった、ママや赤ちゃんの体調が悪かった、母乳のうっ滞が長く続いた、など。
※うっ滞性乳腺炎から感染性乳腺炎になることもあります。

3.乳腺炎の時の対応について
乳腺炎の時の対応にはいくつかのポイントがあります。

★ いつもより授乳回数を増やしてみましょう
乳腺炎の多くは、うっ滞性乳腺炎です。
おっぱいの中に溜まった母乳を赤ちゃんに小まめに飲んでもらうことで、自然に改善していくことが多いです。
乳腺炎かなと思ったら、いつもより回数を増やして授乳をしましょう。赤ちゃんが飲んでくれない場合は、搾乳をしてできるだけ溜まった母乳を出すようにしましょう。

★ 授乳の前に、乳輪を柔らかくほぐして飲ませてみましょう
乳腺炎の場合、乳輪の下が硬くなって赤ちゃんが飲みにくくなっていることがよくあります。
授乳の前に、乳輪を柔らかくほぐして飲ませると効果的です。

★ 授乳姿勢を変えて飲ませてみましょう
授乳姿勢も、横抱き、縦抱き、フットボール抱きなど、いろんな角度から飲ませてみましょう。

★ 夜間授乳をやってみましょう
赤ちゃんは、昼間は遊び吸いなどでしっかり吸わないこともよくあります。
夜中の授乳の方が自然に上手に吸う事も多いので、夜間授乳をいつもよりまめにやってみましょう。

★ 痛みが強い場合は、鎮痛薬を使用して授乳することも可能です
強い痛みがある時は、乳管が開きにくく母乳の出方が悪くなることがあります。その場合は、イブプロフェンやアセトアミノフェンなどの鎮痛解熱剤を内服しながら授乳を続けることも可能です。

★ 上手く吸わせることができない場合や授乳をしていても改善しない場合は、助産師に相談してみましょう。
乳房マッサージで、うっ滞した母乳を排乳することは、乳腺炎の時に効果的です。セルフケアが難しい時は乳房ケアを受けてみましょう。

★ 高熱が長く続くなど強い症状がある時は、病院を受診し医師に相談しましょう
小まめな授乳を続けているにも関わらず、24時間以上の高熱や強い痛み、インフルエンザ様症状がある時は、感染性の乳腺炎が疑われます。その場合は、授乳を基本としたうえで、医師の診断のもと抗菌剤等が処方されることもあります。処方されたお薬は、症状が改善しても医師の指示どおり最後まで服用しましょう。
感染性乳腺炎は、治療が遅れると乳腺膿瘍(乳腺の中に膿が溜まる)で切開する事態になったり、まれに毒素性ショック症候群などの深刻な状況になることがあるので注意が必要です。

4.乳腺炎の予防
乳腺炎は、授乳をしている母親の4人に1人は経験する身近なトラブルです。
予防することが難しいトラブルではありますが、以下のことに注意すると良いでしょう。

(1)ゆったりとした気持ちで授乳を続けましょう
乳腺炎予防は、赤ちゃんに上手に吸ってもらうことが最も効果的です。忙しい生活に中でも、赤ちゃんが落ち着いて飲めるように、授乳の時はゆったりとした気持ちで授乳をしましょう。特に夜中の授乳は上手に吸ってくれることも多いので大切にしてください。

(2)十分な栄養とできるだけの休養を取りましょう
食事が原因で乳腺炎になることはありません。過度な食事制限はストレスとなり逆効果です。授乳中はしっかり食事をとり、忙しい時間の中でもできるだけの休息をとりましょう。

(3)身体をほぐしましょう
首や肩のこりや背中の張りを改善することは、おっぱい周辺の血流を促し硬くなることを予防します。授乳の隙間時間などに、ストレッチなどで小まめに身体をほぐしましょう。

(4)身体を冷やさないようにしましょう
身体が冷えると乳頭が硬くなり、乳頭のトラブルも起きやすくなります。授乳回数多い場合や夜間授乳の時など、知らず知らずのうちに、身体が冷えてしまっていることも多いので十分気をつけましょう。

(5)不安な時は、気軽に助産師に相談しましょう
不安が強い時は、おっぱいの不快感やトラブルを起こすことがあります。不安を軽減することは、本来ママと赤ちゃんが持っている力が発揮でき回復に向かうようになります。一人で悩まず、ぜひ助産師にご相談ください。

SHAREシェアする

一覧

HOME> ブログ >乳腺炎の対処法と予防